風景とともに

一年前に葺いた新築の屋根を最近見に行った人の話

ちょうど夕陽が沈む時間で、向こうの山と茅葺き屋根を眺めたのがよかった、と。

そうそう!それが茅葺き屋根の醍醐味なんです!とうれしくなった。

季節や時間やお天気によって茅葺き屋根の表情は変化します。

木の影が映るのなんて一日中見ていられるくらい。

だんだん馴染んで風景と共になってくれればいいなと思います。

 

茅葺き屋根と機織り

茅葺き屋根と機織りは似ている

縦糸横糸にカタンカタンと一本の糸が織り込まれやがて布になっていく様と

縦横に縄で組まれた下地に軒から順番に茅が葺かれていき、やがて屋根になる様

どちらも地道な作業

 

織物は布となり、縫製されて身体を包む

茅葺屋根は家を包み、人の命や大切なものをやさしく守る

どちらも作り手の感覚一つ

 

スケールは違っていても、生活に密着した、手仕事のものの共通点。

作る過程の音さえも美しい。

自然素材を使っているものはなおさら。